竹久夢二 「黒船屋」再現に必要なもの(おさらい)
再現するにあたり必要なものをリストアップ。
再現する人はいないとは思いますが、これから竹久夢二の「黒船屋」をやりたい方のために情報を残しておこうと思います。
- 黄八丈の着物
- 帯
- 女性が座っている箱
- 髷にかんざし
- 下駄
- 黒猫
今回は、着物の準備と髪型(髷)についてです。
着物を2部式にする
着物を切る
2つに切るときの注意点と長さの目安。
- 上着部分
脇から中心に向かってVの字になるように斜めに切る - スカート部分
身長によってスカートの長さが違います。
帯の下のラインから下駄をはいて裾が床に引きずる長さ+10cmくらい
上着部分の処理
切った部分はほどけてこないように、端を折り込んでミシンでざっと縫いました。
そして袖口だけに、絵と同じような桃色の布を縫い付けました。
今回はとりあえず見てくれだけ、絵に近づけます。
現代の着物は長襦袢と着物のサイズをぴったり合わせて着ることが当たり前ですが、昔の絵を見ると下に着た着物が袖口から出ていることが多いように思います。
着物を着ていると汚れるのは衿、袖口、裾。着物が普段着だった当時、下に着るものを長めに作って袖口が汚れないように、また、汚れても簡単に洗えるようにする工夫なのではなかったのかと考えています。
昔読んだ本にそんなことが書いてあった気がするんですが、どの本だったか思い出せない。
スカート部分の処理
買った紬は私にとってかなり小さかったので、帯で見えない部分に布を足しました。
足した部分は輪にして、中に腰ひもを通して装着するようにしました。
腰ひもを切って、左右につけてしまうほうがズレずにきれいにスカートが巻けると思います。
今回は、腰ひも切るのもったいないなぁと思い、このような仕様にしました。
裾には別の紫色の布を足しています。
実はこの紫色の着物は羽織で、羽織の衿の部分をとってそのまま縫い付けてます。
昔は何枚も着物を重ねてきていたので、黒船屋のモデルの女性も紫色の着物も着ていたんでしょうが、今回は見てくれだけ似せるということで、裾に別布を縫い付けました。
黒船屋 女性の髪型は?
竹久夢二の黒船屋は大正8年の作品。
髪型を拡大してみてみても、どんな髷を結っているのかわかりませんでした。
目から赤外線出したくなるくらい、髪の結い方が全く分からなかった…
当時のはやりの髪型を調べてみると、椎茸みたいな「ひさし髪」に「耳隠し」。
「ひさし髪」なんか、白蓮くらいしか似合わないような。「耳隠し」は一度してみたい。
それはいいとして、どちらも違う…
次に、夢二にかかわった女性たちはどんな髪型だったのかと思い調べてみました。
夢二の絵のモデルもやっていたしね。
この中で一番近いのは彦乃さん?
髷の種類まではわからないけど。
悩んだ末に、江戸から明治、大正あたりまで最も代表的な既婚女性の髪型だった「丸髷」で行くことにしました。
自分で丸髷を結うときは、こちらのページを参考にしました。
趣通信:https://ommki.com/news/
何回か練習して本番にのぞんだのですが、やはり難しい。
前から見て形になってたらOKくらいのクオリティで撮影しました。
そして、完成品!
そう、この黒船屋プロジェクト、実は年賀状のためにやっていたんです。
2022年は寅年。虎はネコ科ということで、竹久夢二の「黒船屋」を題材にしたのでした。
「ネコノテ堂」では着付け教室(西鉄久留米駅徒歩5分)もやっています。
興味がある方は、お問い合わせください。
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